我慢するのが減量、我慢しないのがダイエット
ダイエット。近年の健康ブームもあり、その市場規模は2兆円を超えるとも言われています。
女性のみならず、男性もダイエットした経験があるという方も多いのではないでしょうか。
かく言う私もダイエット経験者です。大学卒業時に73kgだった体重を徐々に減らし、30代前半は55~57kgで維持できていました。それから数年後徐々に上昇し、47歳の今、66kgを記録してしまいました。2019年の目標「逆三角形体型になる」を達成するため、ジムで筋トレを継続しつつ、ダイエットを始めました。
(1)ダイエットの知識
ダイエットの方法も様々で流行廃りがあります。寒天ダイエット、マイクロダイエット、レコーディングダイエット、ビリーズブートキャンプなど多くの手法がブームとなりました。今だったら糖質制限やファスティングでしょうか。
様々な手法がありますが、体重を減らすための方程式はいたってシンプルです。
■ 消費カロリー > 摂取カロリー
消費カロリーが多ければ脂肪や筋肉が燃焼され体重が減るメカニズムです。1kgの脂肪を燃焼するためのエネルギーは7,200kcalと言われています。
ごはん一合(2~3杯)で約540kcal、カツ丼1,000kcal、味噌ラーメン600kcal、ナポリタン650kcal、ランニング60分600kcal程度です。
仮に10kg減らしたいのなら、72,000kcal消費するか摂取を減らせばいいということになります。
(2)ダイエットと減量の違い
ダイエットにつきものの、リバウンド。なぜリバウンドしてしまうのでしょうか。
それは、ダイエットが辛くて苦しくて我慢を伴うものだからです。
「えっ、ダイエットって我慢して痩せることじゃないの?」と思う人がいるかもしれませんが、我慢して体重を減らすのは減量です。
ボクシングなど体重制限のあるスポーツ選手は、体重計測をパスしたらリバウンドしていいのです。だから減量。
ずっとその体重・体型をキープすることが目的で、リバウンドはNGなのがダイエット。
我慢していたらずっと続けることはできません。
(3)リバウンドのメカニズム
我慢をして目標体重を達成したら、我慢から開放されて以前の生活習慣に戻ってしまう人がいます。むしろその様な人の方が多いことでしょう。
10kg減らすには72,000kcal必要と書きました。大変な数字に見えますが、長期的に見たら72,000kcalは誤差の範囲なのです。
考えてみましょう。成人の1日の必要カロリー数を約2,000kcal(性別や年齢、活動量によって変わります)とすると、1年だと730,000kcalとなります。72,000kcalは約10%ですね。10%ならそこそこの割合ですが、残りの人生は1年ではありません。
30代の方なら50年以上、50代の方でも30年以上体重・体型を維持し続けるのがダイエットです。
72,000kcalが10年の摂取カロリーに占める割合は1%、30年で0.3%、50年だと0.2%です。こうなるともう、72,000kcalなんて誤差の範囲だということが分かります。
体型は生活習慣が作るもの。だから体重・体型を維持しようと思ったら、生活習慣を変えなくてはならないのです。
体重・体型を維持できる食習慣と運動習慣を獲得することです。
(4)生活習慣を変えるには
先ほど、我慢をするからリバウンドすると書きました。我慢しないで、好ましい生活習慣を獲得するにはどうすればいいでしょうか。
習慣とは、「後天的に習得し、比較的固定して、少ない努力で反復できる行動様式(広辞苑より)」です。
好ましい習慣を獲得するには、出来るだけ多くの好ましい行動を試し、自分に合う行動を見つけ出すしか方法はありません。
(5)自分に合った継続できる行動を見つけ出す
ます、どんな些細なことでもいいですので、自分が“出来そうな”行動をリストアップしてください。
例えばこのような感じです。
・エスカレーターに乗らず階段を利用する
・夕食を一品抜く
・昼食を外食から弁当に変える
・間食をチョコから煎餅に変える
・菓子パンからオニギリに変える
・ランニングを週1回から2回に増やす
・マラソン大会にエントリーする
・朝30分早起きしてウォーキングする
・隣の駅で降りて歩く
・ジムに行く回数を増やす
・一回り小さいお茶碗に変える
・外食で迷ったらカロリーが少ないほうにする
・外食を週1回までに減らす
・ワインを止めウィスキーにする
・お酒の代わりに炭酸水を飲む
・毎日体重を計測する
・ダイエット仲間を作る
・友人に新生活習慣に変えることを宣言する
・カロリー計算や栄養について学ぶ
そして、それらを意識してください。できそうだったら、やってみてください。
最初は、我慢が伴うかもしれません。
自転車をこぐときと同じように、始めが一番パワーを必要とするのです。次第にスイスイできるようになるものと、そうでないものが分かってきますので、最初は多少苦しくても挑戦することが必要になることもあります。最初だけですので頑張ってください。
(3)振り返る
行動をリストアップして、意識して、できることをやってみる。これはPDCAのP (Plan) とD (Do) です。
次はC (Check)。
一日一回、その日できたことをチェックしていきます。
1日
・エスカレーターに乗らず階段を利用する 〇
・夕食を一品抜く ☓
・昼食を外食から弁当に変える ☓
・間食をチョコから煎餅に変える ☓
・菓子パンからオニギリに変える 〇
・ランニングする(週2回) ☓
・朝30分早起きしてウォーキングする ☓
・隣の駅で降りて歩く 〇
・ジムに行く(回数を増やす) ☓
・一回り小さいお茶碗で食べる 〇
・迷ったらカロリーが少ないほうにする 〇
・外食に行かない(週1回はOK) ☓
・ワインを止めウィスキーにする ☓
・お酒の代わりに炭酸水を飲む ☓
・体重を計測する 〇
・友人に新生活習慣に変えることを宣言する ☓
・カロリー計算や栄養について学ぶ ☓
×が多くてもOKです。決して自分を責めないでください。この取り組みは自分に合った習慣を見つける作業ですので、必ずしも100点でなくてOKなのです。
これを一週間続けます。
1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日
・エスカレーターに乗らず階段を利用する 〇 〇 〇 〇 〇 ☓ 〇
・夕食を一品抜く ☓ ☓ ☓ 〇 ☓ ☓ 〇
・昼食を外食から弁当に変える ☓ 〇 〇 〇 ☓ 〇 ☓
・間食をチョコから煎餅に変える ☓ 〇 ☓ 〇 〇 ☓ 〇
・菓子パンからオニギリに変える ☓ ☓ 〇 〇 〇 〇 〇
・ランニングする(週2回) ☓ 〇 〇 ☓ ☓ 〇 ☓
・朝30分早起きしてウォーキングする ☓ ☓ ☓ ☓ 〇 ☓ ☓
・隣の駅で降りて歩く 〇 〇 〇 〇 ☓ ☓ 〇
・ジムに行く(回数を増やす) ☓ ☓ 〇 ☓ 〇 〇 ☓
・一回り小さいお茶碗で食べる 〇 〇 ☓ 〇 〇 〇 ☓
・迷ったらカロリーが少ないほうにする 〇 〇 〇 〇 ☓ 〇 〇
・外食に行かない(週1回はOK) ☓ 〇 〇 ☓ 〇 〇 〇
・ワインを止めウィスキーにする ☓ ☓ ☓ 〇 ☓ 〇 ☓
・お酒の代わりに炭酸水を飲む ☓ ☓ 〇 〇 〇 ☓ 〇
・体重を計測する 〇 〇 ☓ 〇 〇 〇 〇
・友人に新生活習慣に変えることを宣言する ☓ 〇 〇 〇 ☓ ☓ 〇
・カロリー計算や栄養について学ぶ ☓ ☓ 〇 〇 〇 ☓ ☓
こうすると、自分に合う行動と合わない行動が見えてくるようになります。
一週間で見つからなかったら、見つかるまで振り返りを継続しましょう。
(4)修正・改善する
最後はPDCAのA (Action)です。
自分に合った行動を見つけたら、あとは習慣になるまで継続あるのみです。
ある程度継続できている行動は、最初の頃より少ない努力・パワーで継続できていることに気づくはずです。これをさらに続けていけば、より少ない努力・パワーで行動できるようになりますし、無意識にやることができる、やらないと気持ち悪いと思うようになるレベルにまで到達できるようになります。
おそらく、自分に合った行動を見つけ、苦にならない努力で継続できるようになるまでは数ヶ月はかかるでしょう。
減った体重も多くはないと思います。
でも、それでいいのです。
1年から3年以上のスパンをかけて、(我慢でなく)習慣で落とした体重はリバウンドしません。
長ければ長いほど、習慣として定着するので、むしろ喜ぶべきことです。
あなたの過去を見てください。何年間ダイエットという名の減量を続けているのですか?短期間で減量しリバウンドを繰り返す生活を繰り返すことを考えれば、3年なんて短いものです。
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編集後記
昨日は昨年通ったビジネス塾の同期との新年会でした。半年間ご一緒させてもらいましたが、11月の卒業後も交流が続いています。相変わらず皆さんパワフルで楽しい会でした。
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